除湿器IJDC-K80が故障?分解して原因と修理法を検証!

はじめに
除湿器の「サーキュレーター不良」はよくある?
除湿器に内蔵されたサーキュレーター(送風ファン)は、湿った空気を効率よく循環させるために重要なパーツです。しかし、使用年数が経過したり、ほこりの蓄積・モーターの劣化が進むと、「風が出ない」「ファンが回らない」といった不具合が発生しやすくなります。
特にアイリスオーヤマのIJDC-K80のようにサーキュレーター機能付きのモデルは、構造が複雑である分、可動部に負荷がかかりやすい傾向があります。ネット上でも「サーキュレーターが突然止まった」という声は意外と多く、定期的なメンテナンスや内部の清掃が重要です。
自力での修理にはリスクも。この記事の活用方法
「ファンが回らないだけなら自分で直せそう」と考える方も多いかもしれませんが、注意が必要です。除湿器はコンプレッサーや高電圧の電装部品を搭載しているため、分解時に感電や火災のリスクが伴います。
さらに、一部の部品は専用工具がないと取り外せない場合もあります。うっかり配線を切ってしまったり、再組立できなくなるケースも。メーカー保証が残っている場合は分解によって保証が無効になる点にも注意しましょう。
どうしても修理に挑戦する場合は、自己責任のもとで、十分な知識と準備をもって慎重に作業することが大前提です。
よくあるIJDC-K80の故障と今回の症状

さて、今回修理する家電は「IJDC-K80」です。
エンジンメインになりますが、知り合いに頼まれたので家電の修理してみます。
修理依頼の内容が >>> ファン(サーキュレーター)が回らない
サーキュレーターが回らない原因とは?
- モーターの不具合
- 基板やリレーの故障
- ファンに異物が絡んでいるケース
その他のよくある故障事例
- 電源が入らない(基板・ヒューズ)
- 除湿しない(水がたまらない)
- 異音・振動が発生する
- エラーコードの点滅・表示(E1・E2など)
IJDC-K80の分解手順と注意点(画像付き)
使用した工具と作業環境の準備
プラスドライバー
サークリッププライヤー
マスキングテープ
ギヤグリス
サーキットテスター
耐熱性保護チューブ(熱伸縮)
分解手順と要注意ポイント
- ネジ位置の確認(背面・底面)
- パネルの外し方と爪の位置
- サーキュレーターユニットの場所と確認方法
分解時のリスクと注意点
- 感電・怪我のリスク
- 部品の破損に注意
- 元に戻せなくなる前に写真を撮る
分解と故障診断 作業スタート
では、まずは肝心のモーター部にアクセスしていきます。
最初は色々と外してしまい時間が掛かってしまいましたが、一番最速でアクセスする方法をご案内します。
サーキュレーターのハウジングを上下に振れますが、45度ほど傾けると両サイドに爪が見えてきます。この両サイドの爪を奥に押しながら上方向に引っ張ると外れます。さらに2つの爪が下方にも向両サイドにもついていますのが、はまっているだけなのでうまく外してください。

すると、ファンが丸見えになります。
危険ですので、必ず電源はOFF、コンセントを抜いてください。
ファンがどうやって止まっているかというと、モーターの軸シャフトに刺さっているだけです。
硬いですが引っ張っていただければ外れるはずです。

続いては白いカバーを外しますが、3本のスクリューを外し、その後、モーターをハウジングに固定しているスクリューを4本を外します。

さて、ここまでくればモーターも外れるんです。
でもよく考えてみてください。
配線が邪魔して、完全に単体にすることができませんね。配線の点検をしたいのでコネクターの部分まで外装を外していきます。
まずは、サーキュレーターの首を左右に振って隠れているスクリューを4隅の4本を外します。

カバーごと上に持ち上げることができますが、2本のコネクターを切り離す必要があります。
一つは基盤とモーターでもう一つが基盤とコントローラーをつないでいるのです。
これが切り離せたら、モーター配線が伸びている側のカバーを外します。2本スクリューが―隠れていますので、これを外せば後は上に引き抜くだけです。
次が大変です。
サークリッププライヤーがないと作業が進みません。コネクターが出ている部分の根本をよく見ていただくと真ん中にあるサークリップが隠れています。これを外して、3本の大きいワッシャーが入っているスクリューを3本外してください。

あとは簡単です。白色のギヤが乗っている金属プレートを4本のスクリューを外して抜いてください。
最後に、基盤につながっていたモーター側の赤/白のコネクターを中心部を通して抜いてください。
この作業が完了すれば、モーターが単体になります。

モーター単体になったところで、基盤からのコネクターに電源が来ているか、サーキットテスターを使用して交流電圧をチェックします。約100Vが来ています。電源が来ているのに回らないということはモーター側の不具合を疑います。
モーターをよく見てみると、カーボンがかなり溜っていて回りが悪いようです。きれいに清掃していきます。
またカーボンがこびりついていたシャフト部は紙ヤスリで磨きました。
すると、抵抗なく回るようになりました。
これで直るか??と思ったのですがダメでした。
続いて、調べてみると黒いテープの中に温度ヒューズが隠れていることが判明しました。
115℃-250V-2Aとの記載がありました。
このいずれかの値を超えると断線するようになっているのです。

温度ヒューズを、サーキットテスターを使用して抵抗Ωの点検をしてみます。
すると見事に断線しているではないでしょうか。
他の配線を同じように導通点検しましたが、問題なしでした。
温度ヒューズの断線が原因だと断定し交換作業に入ります。


115℃-250V-2Aの温度ヒューズはアマゾンで見つけて購入しました
交換の際の注意点は、ハンダで修理する場合はには高温にしてしまうとヒューズが断線してしまいますので、急いで作業をしましょう。別の方法はギボシでの接続ですが外れないようにしっかりとカシメてください。発熱源の巻線(コイル)には耐熱性の保護チューブを巻いて、ハンダ付けした部分には熱収縮チューブを巻いてください。
さて、導通を点検するとしっかりと導通していました。
ちなみにですが、コネクタ側で導通テストをしてみると18Ωという数値が出ました。
組付け前に実際に接続して電源を入れてみるとしっかりとモーターが回ったことを確認できました。
あとは逆の手順で組付けていけば完成です。
【実録】IJDC-K80を分解修理してみた
症状の確認〜分解の流れ
- 電源は入るのに風が出ない状況
- サーキュレーターモーターの動作不動確認
分解中に困ったポイント
- ネジ位置が分かりづらい/内部構造が複雑(パネルの分解)
- サーキュレーター(ファン単体)の外し方
修理後どうなったか
- 快調にサーキュレーターが回った。
参照記事
守谷工房さんの記事を参照して修理を行うことができました。
私の記事よりも分かりやすいと思います・・・。
メーカー修理と自力修理、どっちがいい?
メーカーに頼む場合の費用と期間
- 保証外ならアイリスオーヤマの修理センターで18,500円であることが分かりました。
- 2週間程度で修理完了するとのことでした。
自力修理のコスト
- パーツ代が800円程度
※工具がない場合は、コストはかなりかかるでしょう。それでもメーカー修理ほどではないでしょうね。
修理か買い替えか?判断の分かれ目
新品販売価格と修理費を比較した場合、修理費の方が安いが本体価格と数千円しか変わらない。
正直、修理に出すのであれば新品を購入した方が良いでしょう。
IJDC-K80の耐用年数と買い替えの目安
- 一般的に3~4年が目安
- 使用頻度と設置環境による差
まとめ
- サーキュレーター不良は分解で直せることも
- 感電や破損には要注意!無理せずプロにご依頼の検討を
- 「直して使う」も「買い替え」も、納得できる選択を
コメント