2025年8月OPEN

GZ4350EZのプライマリーポンプが戻らない&ロープ修理

今回、入庫したのはゼノアチェンソーのGZ4350EZです。
修理のご依頼内容は…
「使用後に少し休憩して、再始動しようとするがエンジンが掛からない」
とのことでした。

土の中にしばらく埋まっていた丸太を縦引きしていたのだというので、「あぁーもしかしたら…」と思いました。
スターターロープとプライマリーポンプのチェックもして欲しいとのことでしたので、作業を開始します。

目次

スターターロープが緩んでいる

画像からもわかる通り、スターターロープが垂れていますね。

交換するか巻き直すか?確認させていただいたところ、「巻き直し」をご選択されましたので、スターターカバーを取り外して巻き直します。

スターターカバーを外してみたところフライホイールの取り付けナットに異物が絡んでいました。

何か悪さをすると高額修理になってしまいますので、定期的に清掃は必要ですね。

ロープはテンションをかけてあげて作業終了です。

プライマリーポンプが戻らない

プライマリーポンプが押された状態で戻らなくなってしまったとのことです。

交換になるか清掃で直るかですが、できれば交換はせずに修理してほしいとのことでした。

バラしてみないと何とも言えませんが、できるだけ要望に応えたいという思いで作業開始します。

すぐにプライマリーポンプまで到達するだろうと思って作業いてみましたが、結構時間が掛かってしまいました…。

キャブレターを外して、エンジン上のカバーを外してまで外さないとダメなんですね。

プライマリーポンプまで到達すればあとは簡単です。

プライマリーポンプにつながる行き帰りのホースを外して、プライマリーポンプ単体にしてボムの部分をペコペコ押してみると戻りは悪いですが戻ります。

これならいけそうだなと思っていると異物が抜けたようで、ポンプの戻りが良好になりました

※がぞうはイメージです

再始動しようとするがエンジンが掛からなくなった

明らかな不具合を直し終わった後で、エンジンを始動してみると…

エンジンは快調に回り始めました!!

丸太を何回か玉切りして、エンジンを停止し、再始動するが良好です。

エンジンの焼き付きもなかったですし、これで様子を見てもらうことにいたしました。

土の中にしばらく埋まっていた丸太を縦引きしていたという最初の問診時の回答ですが…

土が付着した木を切っているので、ソーチェンが摩耗し切れ味が悪くなっていたところに高負荷が掛かる縦引き作業をしていましたので、エンジンが高熱を持っていたのではないかと推察しました。


べーパーロックや熱ダレの影響があった可能性あるので、もし通常の作業よりも負荷をかけるのでエンジン停止前に1分程度アイドリングで回していただくことをおすすめしました。

また、ソーチェンも通常の木材用ではなく、カーバイトチップ付きのソーチェンの使用をおすすめしておきました。

あ!目立てもしておいたので、切れ味は戻っているはずですよ。

これにてGZ4350EZの修理は完了です。最後までご観覧いただきありがとうございました。






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この記事を書いた人

自動車整備専門学校で4年間学び、小型1級自動車整備士を取得。卒業後は国産ディーラーにて4年間、自動車整備士として経験を積みました。さらにチェンソーメーカーに転職し、14年間にわたり製品知識や修理技術を習得。これらの経験を活かし、農林機械の修理・販売を中心に、伐採や草刈りといった現場作業も請け負う「GIJIE工房」を立ち上げました。地域に根ざした丁寧なサービスを心がけています。

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