2ストロークエンジン(農林機械)のカブリ症状が発生した場合の対処法

「かぶり」とは、エンジン内部(燃焼室)に必要以上のガソリンとオイルの混合気が送られ、
点火プラグが濡れてしまい正常に火花が飛ばず、エンジンが始動できなくなる現象のことです。
目次
かぶりの原理
2ストロークエンジンは、始動時にチョークという機構を使います。
チョークは、エンジンに送る空気の量を一時的に制限し、吸い出される燃料の割合を多く(濃く)することで、冷えたエンジンでもかかりやすくする役割があります。
しかし、以下のような場合に「かぶり」が発生します。
- チョークの使い過ぎ: チョークを閉じた(効かせた)状態で、何度もスターターロープを引くと、燃料だけがどんどん燃焼室に送り込まれます。
- 始動の失敗: エンジンが初爆(ブルン!と一度だけ爆発する感触)したにもかかわらず、チョークを開かずにスターターを引き続けると、過剰に燃料が供給されます。
- フィルターの詰まり: エアフイルターが木くずなどで詰まっていると、空気が十分に供給されず、結果的に燃料が濃くなりすぎてかぶりやすくなります。
燃焼室が燃料で満たされ、点火プラグの先端が液体で濡れてしまうと、
電極間で放電(火花)が起こらず、混合気に着火できなくなります。これが「かぶり」のメカニズムです。
「エンジンが掛からない」と焦ってしまい何度も何度もスターターを引いてしまうと思いますが、症状を悪化させているだけの可能性もありますので、
一度スターターロープを引くのをやめて「かぶり」を疑ってみましょう。
STEP
スイッチをオフ(停止)にする
STEP
チョークを「開」の位置に戻す
STEP
スパークプラグを外して、スパークプラグの先端をきれいに拭く
STEP
スロットルを全開に固定する
STEP
スターターを10回~30回ほど引く
STEP
スパークプラグを乾かして取り付ける
STEP
再度エンジンを始動させる(※この時チョーク位置は「開」)
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